ウェットスーツの役割
我々サーファーにとって重要なサーフツールである『ウェットスーツ』
ここではその『ウェットスーツ』の役割と重要性についてご説明させていただきます。

●保温効果

まず第一にあげるのが保温効果。四季のある日本でサーフィンを楽しむためには海水温や外気温に合わせて体温を調節することが必要です。
ウェットスーツの保温効果はスーツ内部に入った水がウェットスーツと肌の間で水の層を作り体温で温めます。
しっかりとした採寸技術を持つ弊社ディーラーにて採寸オーダーをした体に合ったスーツを着用すれば、スーツ内に入る水の量は少なく保温性は高くなります。
※日々進化を遂げているウェットスーツの防水性能によって、ベテランサーファーでも認識を誤っていることが多い[ウェットスーツ=濡れない]は間違いです。名称の通り、[WET=湿性]、体が全く濡れない製品はドライスーツ[DRY=乾性]と呼ばれ、剛性のあるコイルファスナーを使用しソックスタイプやラジアルタイプのブーツが付いていて中に起毛素材のTシャツやアンダーウェアを重ね着して体温を調整します。
我々は独自に開発した発熱性の起毛素材を使用しているため、インナーの重ね着の必要のない[ソフトドライスーツ]を展開しており、現在ドライスーツの製造はしておりません。

●身体の保護

水上スポーツでスケートボードやスノーボードと比べると安全そうなサーフィン。実は海には陸上にあるもの含め、たくさんの危険が存在します。
・サーフボードについているフィンによる裂傷。
・海底に潜むリーフ(岩礁)や他サーファーとの交錯による打撲。
・クラゲや毒を持つ海藻に刺されると激痛が走り、最悪、意識障害やショック症状も…
夏から秋に変わる時期では海水温も高く、つい裸でサーフィンをしたくなりがちですがクラゲが最も出没する季節です。
「ウェットスーツを着用していればこんなことにならなかったのに」を未然に防ぐためにもウェットスーツは着用することを推奨いたします。

●浮力

ウェットスーツを着用していると浮力を得ることができます。大きい波のインパクトでサーフボードが折れてしまった時やワイプアウトで海底に引きずり込まれた時、カレントに流されて沖合まで出てしまった時、「ウェットスーツを着ていなければ命がなかった」というシーンも実際に存在します。

●仲間との繋がり

これが我々がウェットスーツを製造していて一番喜びを実感できる重要でコアな要素です。
我々はウェットスーツ製造卸メーカーであり、オンラインショップ等による直売は行なっておりません。それぞれホームブレイクを持つ正規ディーラー店舗でのみオーダー/購入が可能なブランドです。
サーフィンの世界にはローカリズムと呼ばれる世界中の各サーフポイントで決まっているルールやその土地でサーフィンの文化を築いてきたローカル(地元民)が存在します。我々はサーフィンをカルチャーとして捉えているハードコアブランドであり、そのローカリズムをより素晴らしいものへと昇華させるため、全国各地のローカルとの繋がりを築いてきました。
サーフトリップでいい波のポイントに辿り着きピークに同じウェットスーツを着用しているサーファーがいたら話しかけてみましょう。きっとそのサーファーはローカルチームでWESTを着ていればネットや口コミでは出てこない情報を教えてくれたり、今後のサーフィンライフを共にする仲間になるかもしれません。 
これはネット販売や量販店での販売をしていないブランドのみの特権であり、ウェットスーツによって仲間の輪が広がり、あなたのサーフィンの世界が広がっていきます。
是非ともディーラーページより最寄りの正規ディーラーまで一度お問い合わせ下さい。
そこからあなたのサーフィンライフはより充実したコアな世界へと変化してくことでしょう。

ウェットスーツの素材について
当社でウェットスーツに使用する生地は1.5mm/2mm/2.5mm/3mm/4mm/5mm厚の気泡を含むクロロプレンゴムの表面 にジャージ素材やスキン素材、裏面にジャージ素材や起毛素材を張り合わせ、使用する地域や時期に合わせて伸縮率 や強度を調整してカスタマイズされた完全オリジナルのマテリアルになります。
ウェットスーツに起こる劣化
ウェットスーツ素材は使用頻度によって異なりますが、硬化(硬くなる)/縮小(生地の縮み)/拡張(生地のダレ)/カラー ジャージ素材の退色等の劣化が起こります。 生地や使用回数によって劣化の進度は異なりますが、適度に使用している方が生地の伸縮が保たれ硬化や縮小のリス クが減り、乾燥した室内や日当たりの良い所に長期間(数ヶ月間のオフシーズン等)放置すると硬化や退色のリスクが 増します。また細いハンガー等でウェットスーツを干すとウェットスーツの重みで肩や開口部に負担がかかり、生地 のダレや型崩れが発生します。
スキン素材/生地の圧着部
スキン素材は非常に柔らかく、着脱時の際に爪やコンクリートで傷ついたり破れたりする可能性があります。汗ばん でいる状態や長時間サーフィンをして着脱がスムーズに行えないときはより一層表面の扱いには充分注意し、なるべ く爪を立てずに足首から順番にしっかりと体型になじませて着用し、スキン部は爪を立てずに指の腹で触るようにし てください。 スキン素材は直射日光に長時間当て続けるとパリパリとした質感になり表面が硬化しさらに破け易くなってしまうリ スクがあります。 また、ウェットスーツを張り合わせる接着剤やNZPなどに施工する熱圧着加工も熱に弱いため、高温の車内や直射日 光の当たる所に放置すると接着部の剥がれや熱圧着箇所の破れの原因にも繋がります。
ウェットスーツを長期間使用するためのセルフケア
上記のウェットスーツ素材の特性を理解することにより、ウェットスーツの寿命を延ばすことが可能になります。※ 他社製品等、素材の種類や接着剤の種類によっては劣化を早める可能性もありますので当社製品を使用しているユー ザー様推奨となります。

①着用時
左右を揃えながらなるべく爪を立てず指の腹を使い、しっかりと足首から膝、膝から股、股から腰…と順番に体にな じませながら無理やり引っ張らずに着用してください。 ※着用時に多いトラブルは、汗ばんでいる時や焦って着替える際に順番に体になじませず、一気に胸あたりまで ウェットスーツを引き上げることで無理なストレッチがかかり、股、脇部分の接着部のピンホールや膝下、腹回りの スキン部の爪による破れです。

②脱着時
実は一番ウェットスーツに過度のストレッチがかかるのは脱着時です。 着用時と同様に、肩から肘、肘から手首、腰から膝…と順番に優しく脱いでください。 下半身は特に注意し、左膝まで下げたら右側も下げ、左足首まで下げたら右足首と左右対称に足首まで下ろしてくだ さい。足を抜く際も一気に引っこ抜くのではなく、しっかりと踵からつま先の順に優しく抜いてください。 コンクリートの上や砂利の上で着替えを行うと裏地を傷つけたり、撥水加工が取れやすくなってしまいます。なるべ く芝生やタイルの上などを選び、ザラザラゴツゴツした場所は避けてください。 ※股マチ浸水の多くは脱着時に発生します。よく見かける片足を脱いでから残りのウェットスーツを踏みつけてもう 片方の足を無理やり引っ張って引き抜く行為は一発レッドカード。一回で股部分のピンホールが発生します。必ず順 番に両足を膝から足首まで揃えてから足を抜いてください。

③使用後  (使用シーズン中)
次の使用まで1~2週間程度の場合 使用後なるべく放置せず、早めに大きな容器にウェットスーツが浸かる程度の真水(~35℃まで)を貯め、優しく手で もみ洗いをしてください。塩分が残ると生地を硬化させ痛めます。裏起毛素材やファスナー部は隙間に塩分や砂が残 りやすいため、しっかりと洗い流してください。 水洗い後、なるべく肩幅が広いハンガーを使用し、裏地を表にして風通しの良い日陰に干してください。8~9割ほ ど乾いたら裏返し、表面を表にして同じ風通しの良い日陰に干し直してください。 臭いが気になる際や1ヶ月程度 使用しない際はウェットシャンプーを使用してください。 ※冬など寒い時期でもぬるま湯程度の水を使用してください。熱いお湯を使用すると接着部の剥がれ、剥離の原因に なります。 ※早く乾かしたくても直射日光には当てないでください。カラーの退色や生地の硬化が一気に加速します。 裏干しのままで放置するとカビの発生にも繋がります。必ず裏返し、両面とも乾かしましょう。洗濯機や乾燥機は破 れ、縮小、型崩れなどの原因になります。針金ハンガーの使用やフェンス、等にたたみ干しは型崩れ、剥離を引き起 こすため、なるべくウェットスーツ用の太めのハンガーを使用してください。 使用後、毎回シャンプーやソフナーを使用すると撥水性能の低下や生地のヘタリに繋がります。シーズン中のウェッ トスーツは着用され適度に伸縮しているため、ソフナーは必要ありません。

③使用後  (使用シーズン後)
次の使用まで3~6ヶ月程度の場合 塩分の多く付着している表面を表にして大きな容器にウェットスーツが浸かる程度の真水(~35℃まで)を貯め、優し く手でもみ洗いをしてください。水洗いが済んだらウェットスーツを裏返し、新しい水にウェットスーツ用シャンプー を使用してもみ洗い、5~10分ほど放置した後、泡が出なくなるまで真水で洗ってください。これでカビやニオイ の原因、バクテリアや雑菌、塩分が落とせます。 その後新しい水にウェットスーツ用ソフナーを使用しもみ洗い後5~10分ほど放置、すでに汚れや雑菌は落ちてい るため濯がずにウェットスーツ用の肩幅が広いハンガーを使用し、裏地を表にして風通しの良い日陰に干してくださ い。しっかりと乾いたら裏返し、表面を表にして表面もしっかりと乾いたら室内のなるべく風通しの良い冷暗所にて ハンガーにかけたまま保管してください。
※ウェットスーツ用シャンプー使用後は泡が出なくなるまで水で洗ってください。ウェットスーツから出た汚れや雑菌 がそのまま付着し、カビや臭いの原因となります。両面ともしっかりと乾いた状態で保管してください。余分な水分 が残ったまま室内保管(特に湿度の高い所)をするとカビの原因になります。 袖口や裾口を見ていただけると分かりますが、ウェットスーツの内径と外径が違うため裏干しのまま保管すると裏地 は引っ張られ、表地は収縮した状態が続いてしまい、スキン面のシワや型崩れの原因になります。必ず表干しで保管 してください。

④保管後  1回目の着用時
シーズンインし、昨年のウェットスーツを使用する場合 長期保管により、ウェットスーツが硬化していることがあります。そのまま着用すると過度なストレッチがかかりピ ンホールや破けの原因にも繋がります。一度ウェットスーツ用ソフナーを使用し柔らかくしてから普段以上に気をつけて着用してください。

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